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Excel で学ぶ多変量解析による経済統計分析
A5判 350頁
【発売予定】 |
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経済データを取り扱い、分析を行う場合、データは様々な要因で変動していくと考えられる。実際に分析する際には、1つの変量だけを見るのではなく、多変量を見ながら分析した方がより正確な結果が得られるであろう。本書ではこうした観点から実際の経済データに対して多変量解析を行うことを目的とする。
経済統計学に関する類書は多数見られ、経済においても統計学は現状や予測といった面で重要な学問である。経済における統計分析では時系列分析などのような分析方法が主流であるため、多くの類書は統計学の基礎と時系列分析の入門を解説している。一方、多変量解析についての類書も多く見られる。これらの類書では数学的な方法論を解説するか、コンピュータによる分析を中心に解説しているものがほとんどで、結果からの考察について議論されている書物はあまり見かけられない。経済データを中心に扱った多変量解析を行い,その結果からどのような経済状態だと把握できるかを議論しているところが本書の特徴である。
統計学は学問体系で言うと数学に位置する。経済学を学ぶに当たっては数学の素養が要求される場面が非常に多い。よって統計学に関する類書を見ても数式などは避けては通れない。本書では数学的な理論はできるだけ少なくし、重要な部分だけを紹介している。その分、実際の分析ができるよう、例題を与え、例題を用いてエクセルによる分析方法を説明し、さらにその結果の解釈を重点的に解説している。
経済は様々な側面から変化しているため、いろいろな経済データには少なからず関係がある。そういった意味では経済学でも多変量解析をしっかりと学ぶことは重要である。計量経済学の類書には多変量解析の一つである回帰分析の考え方が必ずといっていいほど解説されているが、他の多変量解析手法はあまり紹介されていない。そこで本書では実際の経済データを用いて、様々な多変量解析の適用を試みている。また、これらの解析の結果が何を指し示しているのか、その中から経済を見つめたときにどんなことがわかってくるのかなどを解説している。
このように本書では経済の分析の方法と解釈の観点からまとめられている。本書では基本的に各章にて次の順序で議論している:
1.具体例から見た統計分析の考え方
2.統計分析手法の分析方法とその問題点
3.Excelによる分析方法
4.結果からの考察
また本書では多変量解析が主要なテーマとなるが、その前に統計的な考え方の素養がなければ分析結果を読み取る際に十分な解釈が期待できない。そこで2部構成として、1部では統計学の基礎を学び、2部では多変量分析について学ぶ。2部では多変量解析の説明もさることながら、エクセルの例題をできるだけ多く用意し、分析に慣れてもらう一方、それらの分析結果に対しての解釈もそれぞれに与えている。統計学をまったく知らないという読者でもこの1冊で十分に多変量解析のエッセンスを学ぶことができる。
本書の構成
各章の内容は以下の通りである。
1部 基本統計学
1章 統計学とは
統計学を学ぶ上で重要となるいくつかの考え方に関して学ぶ。内容としては母集団と標本、標本の抽出方法、データの種類、経済データの特徴、データの入手先などである。
1.1 母集団と標本
1.2 標本の抽出
1.3 データの種類
1.4 経済データの特徴
1.5 データの入手先
2章 データの整理
データを用いて分析する場合、個票となるデータは無数にある場合がある。よって官庁統計などの経済データは度数分布表など整理された形で公表されている場合が多い。本章では、データの整理の仕方として、度数分布表、ヒストグラムについて学ぶ。またエクセルを用いて実際に度数分布、ヒストグラムの作成方法についても学ぶ。
2.1 データの整理
2.2 度数分布表
2.3 ヒストグラム
2.4 エクセルを用いた例
3章 データの特性値
データを記述する代表的な特性値などの基本統計量について学ぶ。位置を表すもの、散らばりを表すものに分けそれぞれの統計量を定義する。位置を表すものとしては平均、中央値、モードなどを定義し、散らばりを表すものとしては分散、標準偏差、変動係数、四分位点などを定義する。また箱ひげ図の描き方についても触れる。最後にエクセルでの基本統計量の算出方法、ならびにこれらの量からどのようなことがわかるのかを学ぶ。
3.1 特性値とは
3.2 位置を表すもの
3.3 散らばりを表すもの
3.4 ノンパラメトリックな場合
3.5 エクセルを用いた具体例
4章 確率分布
統計学ではデータに対して分布が存在することを仮定している。本章では確率分布がどのようなものであるのか、また確率分布における特性値の定義、具体的な確率分布の定義、正規分布からの標本分布など統計学の理論的側面を学ぶ。
4.1 確率分布とは
4.2 期待値と分散
4.3 離散分布の具体例
4.4 連続分布の具体例
4.5 正規分布の標本分布
4.6 中心極限定理
5章 推定
得られている標本データから母集団の特性値に関する推測を行う。点推定と区間推定について学ぶが、点推定では推定のよさを測るいくつかの性質について学ぶ。区間推定では
5.1 推定とは
5.2 点推定とその良さ
5.3 区間推定
5.4 エクセルを用いた推定
6章 検定
統計分析で重要である分析の一つに仮説検定という考え方がある。仮説検定の考え方を学び、その上でエクセルによる分析を行う。分析する場合には、様々な方法があるため、それらの解説と実際にどのような分析法で行えばよいかの解説を行う。
6.1 仮説検定とは
6.2 1標本の仮説検定
6.3 2標本の仮説検定
6.4 三標本以上の仮説検定について
6.5 エクセルを用いた検定
2部 多変量解析
7章 多変量解析へ出発
多変量解析の序章として、なぜ6章までの内容では統計分析として不備があるのか、多変量データを扱う場合の利点と欠点、またどのような分析方法があるのか、多変量解析でどのようなことがわかるのかなどをまとめる。
7.1 具体的な問題
7.2 多変量解析とは
8章 相関係数
変数間の線形関係を測る尺度として相関係数を定義する。普通の相関係数について学んだ後、経済データによく見られる時系列データに対する自己相関係数の定義なども行う。実際にエクセルを用いて相関行列を算出する。
8.1 相関係数とは
8.2 散布図
8.3 自己相関係数
8.4 エクセルを用いた相関係数の算出
9章 回帰分析
経済データにおいて最もよく使われる回帰分析の考え方について学ぶ。回帰分析では、一方の変数によりもう一方の変数を説明するという考え方で用いられている解析法である。このことから経済予測などにも適用されている。統計分析の解釈のため、当てはまりのよさを測る尺度や統計的仮説検定について学ぶ。また通常の直線回帰だけでなく、曲線回帰についても考えていく。これらの回帰分析の考え方や計算方法を学んだ後、エクセルを用いた統計分析、結果の解釈などを行う。
9.1 回帰分析とは
9.2 最小2乗法
9.3 当てはまりのよさ
9.4 回帰分析における仮説検定
9.5 曲線による回帰
9.6 エクセルを用いた回帰分析
10章 重回帰分析
回帰分析をさらに進めて重回帰分析を学ぶ。重回帰分析は経済における統計解析ではかなり重要なものである。重回帰分析の考え方を説明した後、当てはまりのよさや多重共線性、変数選択等の諸問題について例題を用いて詳しく述べていく。またダミー変数の導入の仕方なども例題を用いて考えていく。
10.1 重回帰分析とは
10.2 当てはまりのよさと統計的仮説検定
10.3 多重共線性
10.4 変数選択
10.5 ダミー変数
10.6 エクセルによる重回帰分析
11章 主成分分析
経済データは様々な要因で変動していくため、多変量データを手にしたとしても変数が多いためその動向などが把握できない場合が多い。そこで変数を縮減する方法として主成分分析を考える。主成分で重要となるのは、分析結果からどのような解釈が得られるかどうかである。数学的な詳しい説明は類書に任せることにして、本書では簡単な考え方を述べた後、エクセルを用いて経済データに主成分分析を適用し,その結果からどのように読み取れるかを解説していく。
11.1 主成分分析とは
11.2 固有値、固有ベクトル
11.2 寄与率、主成分負荷量,主成分得点
11.3 エクセルによる主成分分析と結果の解釈
12章 因子分析
主成分分析では変数の合成を考えていたのに対して、因子分析では変数の分解を行うことになる。因子分析の考え方と主成分分析との違いなどを説明した後、エクセルを用いて経済データに因子分析を適用し,その結果からどのように読み取れるかを解説していく。
12.1 因子分析とは
12.2 因子負荷量と寄与率、因子得点
12.3 因子軸の回転
12.4 エクセルによる因子分析と結果の解釈
13章 判別分析
2群以上に分けられたデータをどのように判別するかを考えていく。判別分析の考え方や判別関数について述べた後、エクセルを用いて経済データに判別分析を適用し,その結果からどのように読み取れるかを解説していく。
13.1 判別分析とは
13.2 線形判別関数とマハラノビスの汎距離
13.3 判別精度
13.4 エクセルによる判別分析と結果の解釈
14章 正準相関分析
変数を2群に分けた場合の相関関係について学ぶ。群同士がどのような関係にあるのかを見る場合,正準相関分析を用いるとよい。本書では正準相関分析の基本的な考え方を説明した後、エクセルを用いて経済データに適用し、その結果からどのように読み取れるかを解説していく。
14.1 正準相関分析とは
14.2 正準相関係数、正準相関ベクトル、正準相関スコア
14.3 エクセルによる正準相関分析と結果の解釈
15章 数量化
経済データを扱う場合,カテゴリカルデータを用いなければならない場合がある。このようなデータに対して多変量解析を行いたい場合,どのように行えばよいのかについて考えていく。そこで数量化理論について学ぶ。
15.1 カテゴリカルデータによる多変量解析
15.2 数量化?類
15.3 数量化?類
15.4 数量化?類 |
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