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Excelによる多変量解析の基礎

浦上賀久子著

A5判/272頁
本体価格3,600円

ISBN4-87315-076-0


(本書について)
 統計・多変量解析の手法は,各種のデータ処理を行なうための道具,即ち,採取したデータをまとめ,分析し,処理・加工することによって,データに何かを語らせ,データから読み取ることのできるものをうまく捉えるための手段として用いられる道具である。表計算ソフトであるExcelもまた,ひとつの道具であり,統計・多変量解析の手法を実践するのにとても役立つ。また,データ分析の手段のために大いに役立つのみならず,結果のプレゼンテーションのための道具としてもすこぶる便利である。
 本書は,Excelという道具を用いた統計・多変量解析手法という道具の使用法についての入門テキストである。Excelユーザとしても,統計・多変量解析手法ユーザとしても初心者であり,これから,Excelを用いてデータ分析を行なおうと考えている人のために書かれた一冊である。


(本書の特長)
- 付属のフロッピーディスクを使って,予備知識なしに,とりあえず,分散分析,回帰分析,重回帰分析,主成分分析,判別分析,数量化?類を実行してみることも可能。
- フロッピーディスクに収録されているファイルに,自分で採取したデータを入力し,計算結果を得ることも容易にできる。
- Excelの使い方を知っていれば,データの個体数を任意に増減して分析を行なうことも可能。


(本書の構成)
第1章では,「統計手法の基礎」について学ぶ。第2章は「統計に関する予備知識」の部分であり,全く基本的な項目から学習を始め,データの記述,2変量の関係,母集団の推測,分散分析について学ぶ。第3章では,「Excelの使用法」について学ぶ。Excelの初心者にも分かるように,基本的な使用法から始め,とりわけ,統計・多変量解析を行なうために必要なことがらについて学習する。関数の使い方,相対参照,絶対参照,乱数を得る方法,グラフ機能などを中心に学習する。第4章では,「Excelによる統計処理および数学計算」について学ぶ。基本統計量,基本統計量,度数分布表とヒストグラム,サンプルの抽出,母平均の推定の実験,相関係数,散布図,分散分析など,Excelによる統計関連のいろいろな処理方法に慣れてもらいたい。また,独自のデータを入力し,いろいろなデータに対し結果がどう変わるかじっくり観察してもらいたい。第5章「多変量解析への数学的準備」では,多変量解析を行なう際に,あらかじめ知っている必要のある数学計算の方法をまとめた。当然Excelによる方法であり,基本的なこと,共通性のあるものだけを取り上げた。ただし,次章からの分析毎に必要なことがらが異なることもあり,この章を後の章に先がけて学習しなければならないというわけではなく,必要になったときにこの章を参照してもらえばよい。第6章から第10章で,「多変量解析」について学習する。第6章では「回帰分析」を取り上げる。ある変量が別のある変量の変化に対応して変化すると見られる場合,両者の関係をひとつの数式で表わそうと考える。この数式を回帰式と呼んでいるが,ふさわしい回帰式を求めることができれば,その式によって,一方の変量から他方を予測することが可能である。いちばん簡単なのは,両変数の間に直線関係が想定される場合であり,このときの回帰式は回帰直線と呼ばれる。回帰直線を求めるには最小2乗法という方法によるのであるが,ここでは,基本どおり最小2乗法の計算によって回帰直線を求めるほか,Excelのワークシート関数を用いて短絡的に求める方法について述べる。回帰式を求めることができれば,それによって,実測値と予測値の関係,実測値と予測誤差の関係をグラフで示し,決定係数で回帰式の当てはまりのよさを検討する。第7章では「重回帰分析」を取り上げ,2つ以上の変量で,他のひとつの変量を予測する手法を学ぶ。最小2乗法で重回帰式を求め,ついで,Excelのワークシート関数を用いて重回帰式を求めることを学び,グラフおよび決定係数によって,重回帰式のあてはまりのよさについて検討する。第8章では「主成分分析」を取り上げる。これは,p個の変量からなるデータがある場合,p個よりは少ない指標で,このデータを代表させようとこころみる分析法である。元データをうまく代表させる指標を導き出し,要約的に概観する,または,視点を変えて各個体を観察しなおす。多量の計算をこなさなければならないが,Excelを利用することによって機械的に求めることができる。第9章では,「判別分析」を取り上げ,観測個体が2つにグループ分けされ,グループ分けされるにいたる要因である変量が測定されているような場合を考える。マハラノビスの汎距離による判別の方法について学習する。第10章では「数量化?類」を学び,説明変数である変量が質的データである場合を取り扱う。「重回帰分析」におけると同じように,目的変数を説明変数で表わす式を見つけ,この式に各個体のダミー変数を代入し,予測値が求める。決定係数などにより,この式の当てはまりのよさについて検討する。なお,これらの分析は,この順番で学ばなければならないような性質のものではない。巻末の付録においては,Webページへの出力方法など,本文の「Excelの使用法」の章では取り上げなかったExcelの便利な機能について簡単に紹介する。また,ExcelおよびWindowsの使用法に関する,よくある質問に答える形で,初心者が躓きがちな状況への対処法について述べる。


(もくじ)
第1章 はじめに
第2章 統計に関する予備知識
 基本的統計量/2変量の関係/推測/正規分布/分散分布
第3章 Excelの使用法
 最初の画面/重要なコマンド/コマンドの実行方法/練習:入力,オートフィル/練習:合計,平均,標準偏差を求める/練習:数式のコピー/練習:式の入力,絶対参照/乱数発生
第4章 Excelによる統計
 基本統計量/ヒストグラム/平均値の推定/2変量の関係:相関係数,散布図
第5章 多変量解析への数学的準備
 分散共分散行列・相関行列/分析ツール使用による分散共分散行列・相関行列/逆行列:MINVERSE関数/行列の積:MMULT関数/掃出し法による連立方程式の解
第6章 回帰分析
 回帰分析について/回帰分析の方法/Excelによる実践
第7章 重回帰分析
 重回帰分析について/重回帰分析の方法/Excelによる実践
第8章 主成分分析
 主成分分析について/2変量の場合/3変量以上の場合/Excelによる主成分分析
第9章 判別分析
 判別分析について/1変量の場合の判別分析/マハラノビスの汎距離/2変量の場合の判別分析/Excelによる判別分析
第10章 数量化I類
 数量化I類について/数量化I類の方法/Excelによる数量化I類
付録A Excel使用法およびWINDOWSに関するFAQ
付録B Excelのワークシート関数
付録C インターネットを活用しよう