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Excelによるデータ解析

兵庫教育大学 学校教育研究センター教授・情報処理センター長
成田 滋

奈良県立奈良工業高等学校教諭・学校心理士/学校カウンセラー
筱 更治 著

A5判/358頁
本体価格3,600円

ISBN4-87315-082-5

(本書について)
 大学の研究活動や学校の事務処理及び企業の経営戦略に,データ解析は欠かすことができないものとなっている。データ解析は,パソコンの普及と質のよいアプリケーションソフトの出現により,研究論文や企業の経営および研究活動に多用されるに至った。一時は,機械式の計算機や電子式卓上計算機,あるいはプログラム電卓が使用されていた。今日では,そうした時代に比較的すると,データ解析における計算そのものについやす時間は極端に短くなったといえる。むしろ,計算はパソコンが猛烈なスピードで済ませるが,データ解析の手順やその解析結果からの読みとりに,一定の専門的な技能や知識あるいは理解が必要とされている。
 本書は,学部学生や大学院生を対象とした教科書的な内容も備えたものとして作成されている。つまり,統計データ性質や取り方,あるいはデータ解析の考え方をはじめ,パソコンそのものに対する基礎的な理解を促したり,Excelについての基本的な操作法についても解説されている。また,データ解析の結果をプレゼンテーションツールで活用したり,論文への組み込み,あるいはWebコンテンツとしての体裁にするなど,データ解析を基本的な考えやその目的,解析の過程,まとめ方などを含んだ課題解決プロセスの手助けを志向する視点で執筆されている。そのため,データ解析の手法を援用して,論文形式で発表する際に必要なデータ収集から解析に至る一連の諸課題の克服に関する事項も紹介している。

(本書の概要)
第1章では,データ解析にあたって統計的手法の意味の基本的な理解を促す。データ解析を行うにあたり,基本的なデータの意味や統計的考えについて,日常の課題を基に経験的かつ納得される我々の感覚からデータ解析に取り組むことができるように構成されている。第2章では,Excelの機能を活用してデータ解析の手法を解説する。データ解析にあたり,データの入力や整理,保存,あるいは他のプラットフォームで作成されたデータの結合等その機能の概要が解説されている。第3章では,データ解析で必須である,測定尺度,確率や確率分布,母集団と標本分布など統計学の基礎的知識理解,特に,数式による理解よりも感覚的な理解に重点を置き,身近な例を挙げながら,視覚的な構成を多用して解説している。第4章では,Excelを用いたデータ解析の過程を視覚的に表現して,理解を促すことを目的として解説する。プレゼンテーションにおいても視覚的表現は重視されるべきであり,グラフ作成を中心に解説する。第5章では,統計/数学/文字列/財務/データベース等,Excelに用意された様々な関数について,データ解析に必要な内容を解説する。また,これらを用いた統計データの整理,各種の統計量を解説し,記述統計について述べている。第6章では,基本統計量/ヒストグラム/分散分析/相関/F検定等,Excelに用意された様々な分析ツールについて必要な内容を解説する。また,これらを用いたデータ解析として,各種の推測統計を解説する。第7章では,母集団の分布にデータ解析に必要な条件を省き,質的データに基づくデータ解析の手法を解説する。2項検定,カイ2乗検定や標本数が比較的少ない場合の検定について,例を挙げて解説する。第8章では,頻繁に繰り返すデータ解析において,マクロを利用した操作手順をとることで作業の効率化が図れるExcelによるデータ解析のうち,VBAマクロを解説する。

(もくじ)
第1章 調査データとデータ解析
第2章 Excelの基本操作
第3章 母集団と標本分布
第4章 データの視覚的表現
第5章 関数利用と記述統計
第6章 分析ツールと推測統計
第7章 ノンパラメトリック法
第8章 VBAマクロによる効率化