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Excelでわかる数理統計学

小樽商科大学ビジネススクール教授
西山 茂 著


A5判/368頁
本体価格3,600円

ISBN4-87315-086-8


(本書の内容)
 統計学をマスターするためには多くの概念や定理を理解して使いこなすことが必要である。統計量の標本分布について,その意味を理解しなければ,「大数の法則」や「中心極限定理」を使いこなすことは覚束ない。そこで,どうしても確率変数や確率分布に関する公理や定義から出発する。
 伝統的な統計学の授業ではこんな進め方をとってきた。これでは特に統計学の初学者には面白さが伝わらないし,統計的結論が持つ怪しさを味わうこともできない。与えられた情報からどこまで正確なことが言えるのかを模索するという意味では,本来,統計学はもっとダイナミックで面白い領域のはずだ。
 本書で利用したExcelのワークブックファイルはすべて筆者のホームページからダウンロードできる。読者は単に読み進むだけではなくファイルをダウンロードした上で同じ数値実験を試みてほしい。そうすることによって「統計的に確かめられた結論」とは一体どんなことなのかが一層確実に理解できるだろう。


(本書の構成)
 本書では,数理統計学のコアになる理屈は「統計理論の要点」として思い切って後景に退かせ,ExcelとVBAプログラミングを主な武器として使いながら,統計的なものの見方が読者に十分に伝わるような構成にした。

[基礎編]
 第1章から第4章までが該当する。度数分布,確率分布から統計量の標本分布,単純な回帰分析までをカバーしている。平均については中心極限定理をモンテカルロ実験で確認する辺りが説明の力点になろう。最初にExcelの基本操作を説明し,最後の第4章ではVBAプログラミングの要点をまとめている。

[実践編]
 一変量の母平均と母分散に関する推定と検定を第5章でとりあげる。回帰分析は第6章で最小二乗法を第7章で一般化最小二乗法を解説する。なぜ一般化最小二乗法が必要になるかがポイントになる。データの良し悪しに関する回帰診断にも触れている。第8章で分類された集計表を題材に分散分析をとりあげる。第9章では時系列分析をボックス・ジェンキンズの方法に則して解説している。第9章ではフリーの統計分析ソフトウェアとして広く利用されているR をExcelから操作し高水準の時系列データ分析がExcelの上でもできるというサンプルを示している。実践編を通して様々のVBAプログラムをワークシートに組み込んでいる。Excel のデータ分析能力は目的に応じて自由自在に引き上げられるものだ。

[理論編]
 第10章の「統計理論の要点」は数理統計学の標準的な結論をまとめた箇所である。従来型の教科書では第10 章に整理している定義や定理をいかに証明し論理的に展開するかに主たる注意を払う。これとは逆に本書では理論的な帰結がどのように実際のデータ分析の場に現れるのかという面を強調した。簡単な解説はあるが証明は巻末の参考文献にゆだねている。