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経営学原理
京都大学大学院教授 日置弘一郎著

A5判 268頁
\3,780


経営学は科学だろうか?社会科学の中でも応用領域に属す経営学は古典的な意味での科学ではない。けれども科学の領域の拡大とともに科学に即した理論構築を行ってきた。しかし、その試みは果たして成功したのか。最新の科学論を参照しつつ、経営学の学問的性格を論じる。

 また、経営学が近代以降に開始された学問であるとする通説に対して、経営学の先行領域として、近代以前に社会システムの管理の学であった官房学、さらに官房学に先行するドイツ家政学に注目する。経営学は、近代以前に企業が成立する前から先行領域を持ち、その知的伝統を継承していると考える。

 近代の工場が成立する以前から、生産の組織を管理し、あるいは、軍隊などの大規模組織を管理するノウハウが存在したことは明らかであり、現在の工場はその管理の伝統を引き継いでいる。通説では大量生産以降にしか経営学を見ようとしないが、経営学の基礎的な部分は近代以前から引き継いでいる。

 経営学は科学成立以前の知的伝統を受け継いでいる。他方で、社会科学の中で大量生産の成立以降、科学になろうとする努力がなされてきた。近代科学の枠組みの中で経営学を構成しようとする試みにとって、大きな障害となるのは、企業経営が複雑系になることである。複雑系の制御を近代科学のモデルで説明しようとすることは困難であり、それ故に経営学は経済学とは異なって、近代科学の枠組みをそのまま適用することはできなかった。複雑系制御の試みとして経営学のこれまでの努力と、他方での科学との接合の歴史を考えていく。