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数学的思考・積分編
-文系と理系の融合を目指して-
東京工業大学教授(数学) 井上 淳 著

A5判 176頁
¥2,520


本書は、分かるということの楽しさ、その分かった内容を確実に他人に伝えることができ、それが正確に伝わったかどうかも調査できるという「最高の言語機能をもったもの」として数学を説明している。本書では、分かるという体験を、微分積分という眼には見えない抽象概念を主題にし共有しようと試みる。

今までの数学教育は、先に西洋数学というある全体像があって、その上で概念を定義という形で導入しその定義が必然性を持つとされる定理を述べ、証明という順序で書かれた教科書を忠実に下敷きにしてきた。同様に、数学ではその概念が必要になった理由を考えることこそが大切なのだが。これだと「教え込む」という知識注ぎ込み方「教育」になりがちである。しかし、数学研究者を目指してもいない大多数の人々に、この教え方で共感を得られるのだろうか?


本書の内容

積分編では、まず定積分の定義や性質について、その後に広義積分について取り扱う。次に、不定積分を取り上げ、微分方程式についても触れる。さらに、概念を多変数に拡張し、重積分について学ぶ。最後に、級数に関する話題を取り上げる。