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文系脳を刺激する数理の世界の物語
-ゲームについて数理的物語を読むだけで
あなたの脳は数字に強くなる-
織田 進著

A5判 144頁
¥2,520


これは著者が大学の1年生に「数理の世界」として講義した原稿が元になっています。
いわゆる理系でない学生が対象であったので、なるべく準備がいらなくて、できれば興味を少しでももってもらえそうな題材を探しているうちに出会ったものです。

本書は「数学」の本ではなく、『数学読本』である。したがって、あえて要点のみに絞らずに、できるだけ「読みやすいように」「わかったつもりになるように」ということを念頭において書きました。


Part I とIIは中学生でも理解できる程度のものだと思います。勉強ではなく、楽しむための題材を提供できる部分にするつもりで書きました。

Part III の証明の部分は、もし煩雑に感じるのであれば、とばしてもらってよいでしょう。もちろん、数学的思考の訓練として、じっくりと論理の流れを追ってもらう方がいいとは思いますが……


この部分は、結論から書いていけばもっとストレートに書けるのですが、ジワジワとゲームの奥に潜む数理的なものを探して行く形をあえてとりました。
数学に限らず、学問一般についても、何か新しいことをやろうとするときに出会うひとつの流れを知ってもらえるかも知れないという淡い期待もありました。
それに、何となく「数学がこんな身近な世界にも一風変わった形で現れるのか」という経験をしてもらえればいいというつもりもあります。
話の内容自体はそう難しいものではありません。ゲームとして手軽にできるものでもあり、ルールも子供でも理解できることです。実際にゲームをやって、確かめることもできるのです。そこが身近なゲームのいいところで、手頃なものではないでしょうか。

著者がこのような『創作めいた』形を取ったのは、一般の人、高校生などにも取っつきやすいのではないかと考えた末のことです。できるだけ数式を書かないで済ませたかったのですが、かえってわかりにくくなることもありますので、売り上げが減るのを覚悟で、このような本になってしまいました。専門書でない限り、数式が一本でるたびに売り上げが何割か減るという法則があるそうです。