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変わる自動車部品取引 系列解体
経営コンサルタント・中小企業診断士・藤樹ビジネス研究所代表 藤樹邦彦 著
A5判/320頁
本体価格4,800円
ISBN4-87315-242-9
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(本書の狙い)
本書では,最近の自動車産業を取り巻く環境の変化が,主に部品取引に与える影響(系列解体とグローバル化,モジュール化,デジタル化の進展による取引の変貌)を分析し,対応策を検討する。
(本書の内容)
第1章では,最近の自動車業界,自動車部品業界の環境変化を特に業界再編に焦点をあてて,販売,生産,調達分野での相互補完などに加え,エコカーやスモールカーの開発,ITS(高度道路交通システム)対応等の膨大な開発投資負担の軽減などを狙った大再編時代,GMからデルファイ(米),FORDからビステオン(米),ボッシュ(独),ヴァレオ(仏)などを例にした部品業界再編の様子を概観するとともに,特に日本で進展している「系列解体」の背景および実態を分析する。第2章では,系列の形成過程について歴史的アプローチを試みた。戦前から1950年代前半の<系列の揺籃期>,1950年代後半から1960年代の<系列の確立期>,1970年代から1980年代の<系列の成熟期>,そして1990年代からの<系列の解体期>に分けて解説する。第3章では,日本の自動車部品取引(系列取引)について,その特徴を分析する。主に,?多段階の垂直分業システム,?高い外部購入比率,?長期継続取引,?濃密な情報共有化,?密接な資本・人的関係の点から分析を試みる。第4章では,自動車部品取引の変化をグローバル化,モジュール化,デジタル化という三つのキーワードで捉えて,その観点から具体的な変化を概観する。自動車の開発や生産における部品メーカーの役割とアウトソーシング化の拡大,「世界最適調達」の浸透や生産分業システムの国際化によって急増するであろう海外の巨大部品メーカーとの取引,企業規模のスーパーサプライヤーとのフラットな取引について述べる。また,IT(情報技術)による従来からの取引慣行の破壊と創造,そして競争の激化による部品再編の加速についても触れる。第5章では,前章までの分析を踏まえて,部品メーカーとしての対応策を検討する。従来とは異なる抜本的な経営革新策の遂行,自社の生き残りを賭けた開発やモノ造りの技術力,研究開発力の強化とそれに伴う提案力強化について述べ,オンリーワン企業の取るべき3つの行動パターンと,スーパーサプライヤーと世界のオンリーワン企業以外の中小企業のたくましさと強さの要因を様々な視点から列挙する。さらには,グローバル化によって引き起こされる世界大競争時代を勝ち抜くために,日本の部品メーカーがとるべき行動,スピード経営が必要となった現在,経営をどのように展開すべきかという視点からの情報化の重要性を述べる。そして,自らの特徴を活かして果敢に挑戦し,成果を挙げている企業も多く,それらの企業の取り組みの中からを課題別にケース紹介した(全部で24企業の事例)。第6章では,トヨタ,日産,ホンダ,三菱自工,いすゞ,マツダの主要自動車メーカー6社の国内部品メーカーのうち連結子会社,関係会社を取り上げてその企業概要を紹介している。
(もくじ)
第1章 大再編時代
無国籍化へ突き進む自動車メーカー
本番を迎えた部品再編
日本で進む系列解体
第2章 系列はどのようにして形成されてきたのか
系列とは何か
系列の形成過程
第3章 日本の自動車部品取引の特徴
垂直生産分業システム
高い外部購入比率
長期継続取引
濃密な情報共有化
密接な資本・人的関係
BIG3の部品取引へ大きな影響力
第4章 変わる自動車部品取引
“グローバル化”―部品業界も世界大競争時代へ
“モジュール化”―部品メーカーの役割拡大
“デジタル化”―IT活用によるビジネスモデルの革新
まとめ
第5章 環境変化への部品企業の対応
部品メーカーの課題と対応策
ケーススタディー
第6章 自動車メーカーグループの実態
トヨタ系部品メーカーの実態
日産系部品メーカーの実態
ホンダ系部品メーカーの実態
いすゞ系部品メーカーの実態
三菱系部品メーカーの実態
マツダ系部品メーカーの実態 |
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